ウエダグループ

Vision - トップインタビュー > ウエダが大事にしてきたもの

“モノを届ける”から、
“ココロを贈る”へ。

- 現会長のこれまでを知り、
ウエダのビジネスの核を知る -

ウエダグループの経営を代表取締役社長として24年牽引してきた会長・上田勝嗣氏。
2018年には社長から会長へと役替りし、実質的な経営の旗振り役は若手経営陣に任せる意向だ。
そんな上田氏に、ウエダグループの存在意義やビジネス上で大切にすべきことは何なのかを答えてもらった。

個人の集まりを、組織として機能させる。

「STRATEGY is HEART」をコーポレートメッセージの中心に置き、様々な情報やサービス発信を行っているウエダグループですが、なぜココロを重んじる企業であるべきなのか。会長の考えをお教えください。
まずお伝えしたいのが、私が担ってきたミッションをお伝えする必要がありますね。そもそも株式会社ウエダの創業は、昭和26年。西宮市今津の小さな町に大手食用油メーカーの物流協力会社として誕生しました。私自身が代表取締役に就任したのは平成6(1994)年で、この頃は、社員全員の顔と名前が一致するほどの規模感。体系化された「組織」というより個々人の「集団」でありました。

多様な個性をもつ社員の存在は決して悪いことではありません。しかし、一人ひとりの考えが散り散りとなり、お客様視点に基づいたサービスが機能しなくなる懸念もある。それは決してあってはならないことです。そこで必要だと感じたのが、経営理念や中期経営計画の見直しです。従業員全員が、会社が何を大切にしているのか理解できるよう組織の体制化を図ったのです(2004年)。

ココロを第一義とするから、利益が生まれる。

理念や戦略に通じるコーポレートメッセージの必要性が問われていた時代だったのですね。
どのような過程を経て生み出されたものなのか。また、企業理念(お客様第一主義が基本行動指針・物心両面における従業員の幸せの追求・事業を通じて社会に貢献)とどんな繋がりがあるのかもお教えください。
まず、当時の経営陣と議論を重ねました。長い時間をかけて探しえた答えが、「期待に応えることの喜び」を皆感じているということです。
消費者・販売者・生産者の方々に対して、物流センターや工場、配送というステージでいかに満足感を得ていただくか。「モノを運ぶ」のではなく「ココロを贈る」こと。そういった価値観が私たちの共通の喜びであったのです。

金銭的な利益のみを第一義とするのではない。まず目の前のお客様に喜んでいただき、その対価として利益を頂戴すること(お客様第一主義)。
そういった商売が育ち、社会が少しでも豊かになること(事業を通じて社会に貢献)。そのためには、従業員の幸せを追求すること(物心両面における幸せの追求)。このサイクルこそがウエダの本質であると思えたのです。

だからこそ積極的に投資を行ったのが、人への教育です。「理念大賞」「一営業所一物語(毎年の改善事例発表の全社大会)」を継続的に実施したり、会社スローガンを毎年更新し、社員に啓蒙し続けたりなど、心を重んじ、心を育む集団として今日までの道のりを歩んできたのです。

<これからのウエダについて> ココロはぶれることなく、生まれ変わりを図る。

だからこそ「STRATEGY is HEART」な集団であるべきなのですね。一方、時代が求める経営構造やビジネス変革についても考え続けなければなりません。今後のウエダについても展望や期待することをお教えください。
2018年現在、気づけば私たちは「集団」から「組織」と呼べる規模の会社となりました。経営陣も若返りを図り、新たな事業帯への挑戦を視野に入れるなど、ウエダグループは新たな転換期を迎えようとしています。ここでも大事にしたい価値観が「ココロを届ける」ということです。時代がどう変わろうともぶれることのない軸を持ち、私たちはより一層の組織成長を目指していきたいと思います。
- ウエダグループ 会長・上田勝嗣